組み込み型融資サービスについて​

かつては、すべての金融サービスは伝統的な金融機関によって提供されていた。しかし、現在はそうではない。FinTechイネイブラーによって金融サービスが創出され、それを顧客企業が流通させる「組み込み型金融」という新たなトレンドが生まれている。(組み込み型金融についてもっとお知りになりたい方は、こちらの記事でその概念の概要を説明しています)

FinTechイネイブラー、別名組み込み型金融のシリーズの続きとして、この記事では、融資サービスが他のサービスにどのように組み込まれているかに焦点を当てます。

組み込み型融資「Credit-as-a-Service」とは?

Lending-as-a-ServiceやEmbedded Lendingとも呼ばれるCredit-as-a-Service(クレジット・アズ・ア・サービス)は、非金融事業者の企業がローンを提供することを可能にします。融資サービスの提供には、信用スコアリング、信用引受、詐欺検出、融資実行、返済回収のプロセスが含まれます。

Credit-as-a-Serviceのプロバイダーは、顧客のために信用スコアリング、信用引受、詐欺検出を担当する企業であり、顧客はサービスのマーケティング、借り手の獲得、融資の実行、返済の回収を担当する。

Credit-as-a-Serviceのメリット

Credit-as-a-Serviceの利点のひとつは、代替データを提供できることである。多くの場合、クライアントは顧客から膨大な量のデータを収集している企業であり、Credit-as-As-Serviceのプロバイダーは、そのようなデータをどのように活用し、顧客の信用度を判断するかをサポートします。

これらのデータ、別名オルタナティブ・データには、オンライン行動、ソーシャルメディア上の活動、通話記録、定期購読などが含まれ、従来の銀行や金融機関がクレジット・スコアリングに使用するデータではない。

Credit-as-a-Serviceのもう一つの大きな利点は、デジタル化である。伝統的な金融機関の多くは、いまだに融資の申し込みやクレジットスコアリングのプロセスを紙とペンで行っている。多くのLending-as-a-Serviceプロバイダーは、デジタルネイティブのクライアントが融資を提供するのを支援するだけでなく、伝統的な銀行やノンバンクが融資サービスをデジタル化するのも支援している。

主要プレイヤー

Ezbob:急成長するレンディング・アズ・ア・サービス分野のパイオニアとして、エズボブは2011年に英国でスタートした。データ豊富なオープン・バンキング環境を活用し、金融機関が顧客向けの金融商品を構築、発売、運用できるオープン・プラットフォームを提供している。エズボブは、融資サービスのコストを最大80%削減し、中小企業の顧客が最短7分で融資決定を受け、その日のうちに資金を振り込むことを可能にした。

Amount: 2019年に米国で設立され、2年足らずでユニコーンになった。Ezbobと同様に、Amountは金融機関のデジタル化を数年ではなく数ヶ月で支援する。HSBC、TD Bank、Regions、Banco Popular、AvantなどがAmountの顧客である。一方、アマウントは加盟店が自社ブランドで分割払いオプションを提供することも可能にしている。最近、バークレイズUSコンシューマー銀行は、このようなホワイトラベルの割賦サービスを提供するために、アマウントと提携した最初の大手銀行のひとつとなった。

Liberis:2007年に英国で設立されたリベリスは、欧州、米国、英国の16,000の中小企業に5億ポンド以上の融資を行ってきた。その後、B2B2Bにシフトし、現在は主にFISのWorldpayやGlobal Paymentsなどのマーケットプレイス、ソフトウェアプロバイダー、アクワイアラーと提携している。これらのパートナーは、エンド顧客にパーソナライズされた事前承認された収益ベースの融資を提供するためにリベリスと統合しています。

Roostify: 2012年に米国で設立されたRoostifyは、住宅ローン融資に特化したLending-as-a-Service企業である。サンタンデール銀行、TD銀行、コロニアル銀行などが顧客で、Roostifyのテクノロジーを利用して行動データを分析し、住宅ローンの申請プロセスをデジタル化している。

LinearFT: LinearFTは、銀行による中小企業向け融資プロセスの改革支援に注力しています。市場をリードするソフトウェア、分析的洞察、プロフェッショナル・サービスを独自に組み合わせ、ゲームチェンジャー的なデジタル体験を提供しています。オンライン中小企業融資最大手のOnDeck(NYSE: ONDK)の完全子会社であるLinear FTは、過去10年間で100億米ドルを融資した実績を有しています。

  

  

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