組み込み型金融の種類と実例

 

どの産業も時間とともに発展し成熟すると、分業化が進み、各レイヤーの企業の事業内容より専門的になる傾向がある。現在、フィンテック業界や金融サービス全般で起きていることがそれだ。多くのプレーヤーが自分の得意なことに集中し、それ以外は他のプレーヤーに任せるという、分裂と専門化の新たな段階に入りつつある。今回は、「FinTech Enabler」、「Embedded Finance」、「FinTech-as-a-Service」、「Modular Finance」など様々な名前で呼ばれているこの進行中のトレンドについて紹介させて頂く

Embedded Finance(組み込み型金融)の一般的な考え方は、非金融事業者に対して、金融機関が技術、運用、ライセンス、その他のサービスを提供し、組み込み先の会社が自社ブランドで金融サービスを提供することができる。このような組み込み型金融の進化により、我々が今よく知っているようないわゆる「金融機関」はもはやブランドとして存在しなくなる可能性が非常に高い。組み込み型金融をテーマに5回シリーズでご紹介します。

1. Banking-as-a-Service(組み込み型銀行サービス)

組み込み型金融サービスの中で、最もよく知られたセクターかもしれない。Banking-as-a-Service(BaaS)のコンセプトは、チャレンジャー・バンクやオープン・バンキングAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の台頭とともに花開いた。同じコンセプトは米国、中南米、アフリカ、アジアにも広がっている。

BaaSには様々な種類があり、銀行口座に関連する様々なバンキング機能があるため、バンキング・アズ・ア・サービスを正確に定義するのは難しい。既存の銀行の銀行口座へのアクセスを提供するものもあれば、コア・バンキング・システムのようなソフトウェアを提供するものもある。また、ソフトウェアだけでなく、サービス業務も提供するところもある。銀行免許を発行するところもある。こちらのブログ記事では、欧米、中国、日本における組み込み型金融(BaaS)分野の最大手企業のケース・スタディを紹介させて頂きます。

2. Card-as-a-Service(組み込み型カード発行)

今までもカード事業者とIPホルダーが提携して「提携カード」を発行することはありましたが、技術基盤やオペレーション体制が整っていないゆえ、提携カードの企画から発行までに長い時間と高いコストがかかり、基本的には超人気IPにしかできなかった。Card-as-a-Serviceが出てきたことによって、より多くの企業やクリエイターが自社ブランドでカードを発行できるようになった。

カード事業者がパートナー企業と組むことによって、与信モデルを構築するためにパートナー企業がもっているデータを活用することによって、貸し倒れ率をより正確に予測し、金利を最適化できます。一方で、パートナー企業はカードネットワーク、決済処理、発行銀行、印刷会社と協力してカードを発行し、取引を承認し、決済機関と通信するなどに関わることなく、カード事業者の方で完結する、。これはクレジットカードだけでなく、デビットカードやその他あらゆる種類の決済カードにも当てはまる。詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください。

3. Credit-as-a-Service(組み込み型融資サービス)

一般的には、融資は銀行サービスの一つだが、多くのBanking-as-a-Serviceには普通預金口座とデビットカードの機能しか含まれていない。一方で、融資に特化した組み込み型金融サービスにも高い関心を寄せている。融資事業は単体でも非常に収益性が見込める上、組み込み先のパートナー企業が本業の事業拡大において、顧客単価をあげる施策としての効果も期待できる。

Banking-as-a-Serviceのアーリー・アダプターは、チャレンジャー・バンクを目指す新興企業が中心であるのに対し、Credit-as-a-Serviceは、ユーザーやデータなどを既にたくさん持っている伝統的な企業や大手テック企業が多い。組み込み型融資サービス業界のプレーヤーについて、こちらのブログ記事で紹介させて頂いています。

4. Insurance-as-a-Service(組み込み型保険サービス)

銀行サービス、融資サービス、カード発行サービスよりも、保険の方がより複雑であり、一般消費者が契約するまでに必要な時間が長い。また、保険のような丁寧な説明が求められる金融商品を、組み込みの形で流通させるべきかどうかについては、規制当局との間で今だにかなりの議論が続いている。

しかし、このような障壁があるにもかかわらず、組み込み型保険サービスで革命を起こそうとしている企業がある。こちらのブログ記事ではこの分野が乗り越えなければならないいくつかの困難とケーススタディについて、より深く掘り下げてみた。

5. Compliance-as-a-Service/Custody-as-a-Service/Wallet-as-a-Service

多くの人にとって、金融業界において最も退屈な部分は、コンプライアンス、セキュリティ、カストディかもしれないが、最も重要な部分でもある。これは、金融業界が金融サービスによって顧客の信頼を築く(そして報酬を得る)ための基盤である。多くの企業がこれまで金融サービスを提供してこなかったのも、コンプライアンス対応が一番の障壁だったと言っても過言ではない。

コンプライアンスやセキュリティ対策には、KYC(Know Your Customers)、AML(Anti Money Laundering)、CTF(Counter Terrorist Financing)、データ・プライバシー、そしてデジタルと物理的なものを含むあらゆる種類の攻撃から資産を守ることなどが含まれる。組み込み型金融サービスを使えば、金融サービスの提供やデジタル・ウォレットの作成に必要なこうした作業が簡単になる。

最後に:組み込み型Web3サービス・暗号資産取引サービス(Embedded Web3・Embedded Crypto Exchange)

暗号資産の取り扱いに必要な技術基盤や、コンプライアンス対応の人員体制は、新しい技術であるゆえ、人材が不足しており、他の金融サービスよりも揃えるのが難しくなっている。

弊社Backseat株式会社は、パートナー企業が自社ブランドで暗号資産取引サービスを含むWeb3サービス全般を簡単にかつ安全に提供できるように、日本初の組み込み型暗号資産取引サービスをこれから提供してまいります。

ご支援賜りますようお願い申し上げます!

  

  

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住所
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